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続・親権問題

弁護士コラム

 お久しぶりです。カープの借金は結局完済できませんでしたね。でも、シーズン最終戦までもしかしたらクライマックスシリーズへ進めるかもしれない、 という期待を感じさせてくれるカープの戦いに、私は存分に楽しませてもらいました。リーグ優勝、日本一は来年に期待ですね!
 それにしても、土生選手が一軍で活躍する姿を見たいですね。チーム事情は色々あるのでしょうが、一軍昇格してもおかしくない活躍をしていると思うんですけどね。私は。

 さて、期間が開いてしまい、どこまでお話したのか忘れてしまいそうですが、親権が具体的にはどのようにして決められるのか、ですね。
 一般的に言われている視点は、現在までの子どもの養育状況、今後の養育方針及び養育環境、一方の当事者が親権者となることが適当な理由、他方の当事者が親権者となるのが不適切な理由、等であります。
 これらの視点をもって、子どもの福祉にとってどちらが親権者となるのが良いのか、という判断をして決めることになります。
 私個人の感覚としては、実際の離婚調停では、現在までの子どもの養育状況を考えて、その状況をそのまま継続するように親権者が決まっていく、ということが多いように思います。 別居をしている場合は、子どもと一緒に生活している親が親権者となることがほとんど、という感覚です。
 このように原則として、子どもの現在までの養育監護状況を維持する形で親権者が決められます。ただし、子どもの現在までの監護状況を変更すべき特別の事情がある場合、例外的にもう一方の親を親権者と決められます。

 私が事件として受任する段階では、ほぼ全ての場合が別居している場合です。そして、未成年の 幼い子供がいる場合の多くは、母親が子どもを連れて別居をしているか、父親が子どもを連れないで別居をしているかです。
 父親が依頼者の場合に「親権者になりたい気持ちはあるけど、現実難しいですよね?」と聞かれることがあります。私は難しいと答えています。
(母親も親権者となることを望み、母親の看護状況に問題がない場合を前提としています)
 そうすると、父親は自らが親権者となることを諦めます。何十秒間かの話です。本当に、こういうことでいいのかなと思ったりもします。依頼者と弁護士の関係で、弁護士の一言が依頼者にとって 非常に大きな影響力があり、子どもの親権者という非常に大切なことを結論付けてしまうことに、違和感を感じてしまいます。う~ん、どうしたものかな。かといって父親が自らの親権を強く主張し、 親権者問題の深刻な争いに突入することは、父親にとって利益だとは思えないので、勧めることはしません。親権について深刻に争った場合、子どもの面会交流の実施が非常に困難になるという問題もあります。
 親権者を考えるときに忘れてはいけないのは、親権者を決める視点は、子どものためにどうしたらいいのか、に尽きるということです。親が、親権を主張し合い、長期間の深刻な争いをすることは、 子どもの福祉にとって悪影響であることは異論のないことだと思います。そうなると、やはり離婚をする際に、親の一方を親権者と決めなければいけない日本の制度に問題があるのかなとも思います。
 選択権なく一方の親を親権者と決めなければいけない状況となるために、親権者争いという、とても有益なものとは思えない争いが作られていると思います。
 みなさまは、どう考えますか?

弁護士 渡 邉 一 生

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